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長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科総合診療学分野
長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科離島・へき地医療学講座
長崎大学病院 総合診療科
教授前田 隆浩
長崎大学医学部は日本最古の医学部として、1857年(安政3)11月12日を創立の日としています。この日、長崎医学練習所においてオランダの軍医ポンペによる西洋式の系統的医学講義が日本で初めて行われたことにちなむものです。
この歴史ある長崎大学医学部の附属病院となる長崎大学病院は、1861年(文久1) 9月20日に日本初の西洋式近代病院「養生所」として開設いたしました。以来160年以上の歩みのなかでさまざまな治療に取り組む一方、優れた医療人の育成にも力を注いでいます。
長崎大学病院には日本専門医機構に準じる基本19領域の専門研修プログラムがありますが、そのうち総合診療医の育成を目的として創設されたのが「ながさき総合診療専門研修プログラム」です。その特色としては、一般的な健康問題に対する診療能力を身につける研修はもちろん、患者中心の医療の実践や心と身体の両面からの症候診断能力の修得、心のケアを含めた家族の問題へのアプローチ法の修得などさまざまにありますが、なかでも大きな特色となるのが多様な地域において研修ができるということです。経験豊富な指導医のもと、安心して研修に集中できるよう地域の施設と密に連携しています。
長崎県は入り組んだ海岸線と多くの離島を持つことから、変化に富んだ地形を有しています。それにともなって人口密度の高い市街地や中規模の都市、人口規模の小さい離島など多様な地域社会が広がることになり、長崎大学病院としてもそうした地域特性に合わせた医療提供体制の構築に参画してきました。ながさき総合診療専門研修プログラムには、このような多様な地域の医療提供体制を反映させているというわけです。このプログラムを通して、どこに行っても通用する総合診療の力を身につけて下さい。
地域課題に応えられる総合診療医に
総合診療医には「地域を診る力」が求められますが、そのためには診療と教育に加え、チームとして地域の課題を解決するための研究を行うこと、そしてその成果を地域に還元していくことも重要だと考えています。これからさらに高齢化が進んでいくわが国の地域医療において、地域を診る力は益々求められていくスキルです。私たちのプログラムでは総合診療医の育成はもちろんですが、大学病院の総合診療科として様々な研究にも取り組んでいますので、これからの時代さらに需要が高まっていくであろう「地域を診る総合診療医」を目指して、研究活動に参加することもできますし、歓迎します。総合診療医を志すみなさんには、是非、ながさき総合診療専門研修プログラムに参加していただきたいと心より願っております。
長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科総合診療学分野
長崎大学熱帯医学研究所 臨床感染症学分野
長崎大学病院 総合診療科・感染症内科(熱研内科)
准教授山梨 啓友
まず、私が教育する立場として思っていることは、病院、診療所、行政などどんな場所でもきちんとひとびとの暮らしを支えることができる医師を育成することです。だからこそ、決められたレールの上を歩くプログラムではなく、多種多様なテーマの中で専攻医の皆さんがどんな姿を目指していきたいのか、そのためにはどんな内容を習得するべきなのかを自ら選べるような研修を大事にしたいと思います。
専攻医の皆さんが目指している総合診療医像はさまざまで、在宅医療を診療の中心にしたい方、病院で幅広い実務経験を重ねて基礎固めをしようと考えている方、自身の郷里で地域医療に取り組みたい方、教育的な立場から後進の育成に力を注ぎたい方など実に多彩に広がっています。こうした専攻医のみなさんの幅広い要望に応えられるのも、当プログラムの持ち味のひとつ。一人ひとりの目的に応じた「オーダーメイド」の研修コースを設定することができるため、本人の希望に沿ったキャリアプランが描きやすいと言っていいでしょう。
例えば、当プログラムでは長崎大学熱帯医学研究所臨床感染症学分野(長崎大学病院感染症内科)とのコラボレーション研修も可能となっていて「感染症に強い総合診療医」としてスキルアップをすることもできます。新型コロナ感染症で明らかになったように、感染症に関しての診療スキルは、患者さんを診療するだけにとどまらず、保健・福祉・介護・行政との連携や地域住民への予防活動などより広い視点からのアプローチが求められます。公衆衛生の観点から地域やコミュニティへのアプローチの方法を実践的に学ぶために、長崎大学では熱帯医学・衛生学ディプロマコースを提供しており、短期間で効率良く学ぶことができます。
総合診療医としての柔軟性は、
多様な領域を「またぐ」ことで
育まれる
さらに、総合的な実力を身につけたあとは、自分の関心分野を学ぶためのアドバンスト研修を用意してあります。総合診療を学びながら産婦人科の勉強をしている方もいますし、緩和ケア、睡眠診療、漢方診療、研究を学ぶ方もいます。私自身はグローバルヘルスの診療を行っています。海外での診療経験では、病気そのもののケアはもちろん、地域の生活や文化、住環境、社会経済状況のことなど様々な困りごとに対応する包括的な診療が求められます。これまでの自分の日々実践してきた総合診療の経験が、国や地域の異なったグローバルヘルスの診療現場でも役立つことを実感しました。
総合診療医はある意味、医療の領域を「またぐ」専門家であり、その柔軟な立ち位置が醍醐味と言っていいでしょう。ある領域についてもう少し学びたい、経験したいと感じることは成長のチャンスです。これまでの自分のいた領域を「またいで」多様な領域での研修をしてみませんか。一人ひとりのユニークなキャリアを支援するために、私たちは惜しみなく挑戦の機会を提供していきたいと思っています。総合診療医としての柔軟なキャリアを楽しんでください!
これから、ちゃんぽん作り
ちゃんぽん料理中!
Y先生のある日のご飯
五島コホート検診の検体分注作業
臨床検体の処理の準備の一コマ
M先生のレクチャー
長崎大学病院 総合診療科
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
先進予防医学共同専攻 総合診療学分野
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